立夏×草灯(原作5年後設定)

□約束を、果たして
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草灯と出会って5年が経つ。

オサムやユイコ、東雲先生や弥生さんと出会ったことでも変わったと思うけど、草灯と出会ったことで、オレの人生は確実に変わった。



草灯との出会いは……特別だ。



出会った頃のオレは、まだ何も知らない子どもで。

戦闘機やサクリファイスのことも、ななつの月のことも、何も知らない子どもで。

なのに、そんなオレに、あいつは。





『立夏のために 戦ってあげる』





そう言って、本当に戦った。

草灯はオレの――本当は『清明の』だけど――戦闘機で、オレはサクリファイス。

草灯が戦い、オレがダメージを引き受ける。

オレは苦痛を引き受ける――犠牲者。






でも。
だからと言って。






「戦闘でもないのに痛いのは嫌だ」





圧し掛かり、オレのシャツのボタンを外していく男に声をかける。

出会って数時間後にはキスをしてきたこの男は、事あるごとに……というか、何の脈絡もなくキスをしてくる。
そういうオレも、たまにはしたけど。



それがいつの頃からか、額や頬や唇だけじゃなく、他の場所にも与えられるようになった。

その行為がさらにエスカレートするのに、そんなに時間はかからなかったと思う。



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