立夏×草灯(原作5年後設定)

□嫉妬――それも存在理由
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「立夏、おつかれさま」

「おまえなぁ……」

昔と変わらない微笑を称えて佇む草灯の姿を見たオレは、呆れて二の句がつげなかった。






草灯との出会いは小学校の正門前。オレのことを待ち伏せしていた草灯に腕をつかまれたのが最初だ。

以来5年。

オレが高校生になっても、こいつは依然としてストーカーのままだ。

なにせ、バイト先について詳しいことを教えていなかったにも拘らず、従業員出入口で待ち伏せしていたんだからな。

しかも今回が初めてじゃねーし!



……一緒に住んでるってのに、なんで態々こんなことするんだ、この変態め。











「なになに? 青柳君の知り合い?」

「紹介してよー」





背後で囁くバイト仲間の女の子たちの声に、オレの体が一瞬にして強張る。

――ヤバイ。

ちらりと草灯の顔を窺うと――他人は気付かないだろうけど――オレにはわかる程度に笑みが深くなっている。






今までの経験上、この展開は、ヤバイ。

オレは女の子たちに「おつかれ」と一声かけると、慌てて草灯の腕を掴んでその場を離れた。




口を開きかけてたから、あとちょっとでも遅ければ最悪の事態に陥っていただろう。

昔、オレの実家の前で草灯と東雲先生が初めて会ったときのような状態に。




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