◆オリジナル◆

□『スキ・キライ・スキ・・・スキ。』
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校舎の裏で、小さな花を見つけた。
周りを見ても同じ種類は咲いていない。

(僕と同じ、独り、だ)

花に親近感を抱くのもおかしな話だが、なんだか目が離せない。
しばらくじっと見つめていて、ふと思いついたことをやってみることにした。
そっと摘みとる。
誰も見ていないのを確認して、大崎蓮は壁に背を預けた。

「スキ・キライ・スキ・キライ……」

女々しいことをしている自覚はある。
それでも。

なにか救われる気がした。

「スキ・キライ・スキ……スキ。……好き、だって。」

はは、と渇いた笑いが漏れる。
彼の気持ちなんて、全然判らない。
小さい頃に言った「好き」は、蓮の心にいまだ残っているのに。

「スキ、だなぁ、やっぱり」

どうしたって嫌いになれない彼の顔を思い浮かべ、蓮はゆっくりとしゃがみ込んだ。

―END―

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