エヴァBL小説

□花鳥風月
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―きらきら光る銀髪。

整った顔立ち。

窓の向こうに一人の少年が歩いていた―。

「………う、嘘…。あの人が、ぼ、僕を!?」
「やだぁ〜!先生嘘なんてつかないわよ〜!あらら?……あの制服って蘭崎高校のやつじゃないの?って事は親睦会のお相手!?なんだか運命感じちゃうわね〜!」
葛城は嬉しそうに僕の背中をバンバン叩く。
「…別に運命なんて感じませんけど…。じゃあ僕失礼します…」
「…シンジ君。無理はしちゃ駄目よ!じゃあね〜!蘭崎高校の彼によろしくね〜!」
さも楽しそうに笑う葛城を後にして僕は生徒会室へと向かった。
生徒会室へ迎う途中…。
彼の事が頭から離れなかった―。
(どうしよう…まさか蘭崎高校の人にお姫さま抱っこされて運ばれてきたなんて!!…恥ずかしくて顔合わせられないよ…でもお礼言わないといけないし…)
―等と考えてる時だった。

どんっ!!

角で誰かとぶつかってしまった。
「うわっ!っ!」
僕は尻餅をつく。
「いったぁ〜!」
相手も尻餅をついてしまったようだ。
「あっごめん!僕がぼーっとしてたから」
相手はシンジを睨みつける。
「ちょっとどこ見て歩いてるのよ!私が怪我でもしたらどうしてくれるの!?…なんだ生徒会長のシンジじゃない…」
シンジがぶつかった相手は同じクラスのアスカだった。
帰国子女らしく外国語がぺらぺらで可愛いと男子から評判の子だ。

「ごめん!アスカ…。あの…大丈夫だった?」
シンジは立ち上がって手を差し出す。
「シンジにぶつかったくらいでどうにかなったりしないわよ!」
アスカはシンジの手を掴んで立ち上がる。
「ごめん。これからは気をつけるよ…」
「そうしてちょーだい。…そういえば蘭崎高校の生徒会長が来てるんでしょ?さっき聞いた話だと男前って噂なんだけど…どうなの?」
「えっ!?」
また蘭崎高校の生徒会長の事を思い出してしまい、赤くなる。
「!?……赤くなるって事は…まさか…あんた狙ってるの!?」
「な、何言ってるんだよ!相手は男じゃないか!」
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