恋
□1時間
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先生は車を公園に向かわせた。
運転飽きたから停めていい?
別に大丈夫ですよー
公園には駐車場がたくさんあって
電灯から少し離れた場所に
車を停めて、話をした。
その公園が昔合戦場だった
なんて話をしていたとき。
武者来たらとりあえずロックする
なんて言ってロックを見たとき
運転席だけロックがかかってなくて
私はおばけだーってふざけた。
窓の外を見てとぼけてみた。
名前を呼ばれた。
いつもの声じゃなかった。
優しい声だった。
私は気付かない振りをして
まだ窓の外を眺めていた。
髪の毛に触れた手が
頭ごと持って行った。
下を向いていた私。
一瞬だけ、車を待っていた時の
感覚を思い出した。
あれ が これ の予感だった。
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