恋
□1時間
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私の後頭部に手があって
右肩は先生の胸板にあたってた。
何しようとしてるかわかる?
でこぴん?
違うよ
まぬけかも知れないけど
私はでこぴんであってくれって
願いを込めて言ったつもりで。
今ちゅーしようとしてるんだけど
ここでも私は吹き出してしまった。
率直に言うことないのに、と。
なんでですか?
そう聞いたら、真剣に悩みだした。
**ちゃんだからって言ったあと
元とは言え生徒だしなーとか
こないだまで高校生だったしなーとか
しばらく悩んだあと
好きな人とかいる?
聞かれて、いいえ、と答えた。
ほんとはいたんだ。
でもその先生を好きだった過去が
よみがえってきて縋り付いた。
好きだった人が目の前にいて。
よかったーと笑ってくれている。
固まって動かない私に
おいで
と。
かけられた声が余りに優しくて
私は目をつぶった。
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