Short 1
□幸せな1日
1ページ/2ページ
窓から風が
ふわりと流れてカーテンを揺らし、
それに伴って薄紫色の髪の毛が靡いた。
「そういえば……
こんな事もあったわね……。」
その長い髪の少女はくすりと笑って、
隣の黒髪の少年を悪戯な目で見た。
「う……///
でも、あれは愛歌さんが………」
2人は今までの思い出を振り返って笑いあう。
愛歌は紅茶を一口飲み、また1ページめくった。
今、彼らはとても幸せな顔をしている。
それは、隣の人の温もりを感じられるからだろう。
「うーん。
眠くなってきちゃった。」
「また?
しょうがないわね…」
愛歌は自分の膝を使うように促し、
ワタルは顔を赤らめつつも、素直に従った。
愛歌の膝に頭を乗せた数秒後、安らかな寝息が聞こえてきた。
「まったく……
寝るのは早いんだから…。」
愛歌は微笑み、ワタルの唇にキスをした後、
「私も寝ますか…」
と言って目を閉じ、うららかな春の陽気から来る眠気に身を委ねた。
こうして、今日も彼らの幸せな1日は過ぎていく………
fin
→あとがき