小説

□mental children
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(何でこんなことになったんだっけ・・・。)





体を叩きつける雨が冷たい


強い癖のある髪は
雨で大人しく垂れ下がっていた




手先も足先もすっかり体温を奪われて、何時の間にか胸の奥まで冷えてきて・・・・・




あんなこと、言わなければ良かった。



なんて




後悔するのが遅すぎたんだ。







「ブン太先輩・・・・・っ」













ー mental children ー







「赤也っ!今日うち来ねぇ?」




部活終わりの帰路の途中
赤也の横を歩いていたブン太が、突然声を上げた。


赤也は眼をキョトンとさせている。

珍しい恋人の誘いに、心底驚いているようだ。




「そりゃあ・・・俺だって行きたいッスけど・・。」


目の前でニコニコ微笑む恋人を見て、一つため息をつく。




「弟さん達いるんスよね?」



頭をよぎる、小さな二つの姿。

赤也に懐いているのか、ブン太の家に行くと必ずと言っていい程ついてくるのだ。

二人きりになる機会がなかなかとれない事態に
兄であるブン太自身、かなり手をやいてた。



だが、今日は一味違うようだ。




「安心しろぃ。ガキ共は今うちにいねーから。」


可愛らしく笑うその瞳に
一瞬浮かんだ怪しい光。
その意味を知りたくない赤也は、堅い笑顔で笑い返していた。
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