小説

□合い言葉は×××
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嫌い嫌い 大嫌い。




「赤也・・・」



扉越しに彼の声が聞こえるけど、絶対に開けてやらない。

だって俺達、喧嘩の真っ最中。



だから



声がした時、無意識にドアノブに手が伸びたのは、開けさせないためだ。

・・・そうじゃなきゃ、おかしいだろ。





「早く・・・・・」



この手をどけさせてよ



先輩だけの秘密の呪文で。













ー合い言葉は×××ー












才色兼備って、こんな感じだろうか。



スポーツが出来て勉強が出来て、容姿端麗は必須項目。

おまけに、料理まで出来ちゃう。


そんな出来すぎた彼の背中をじっと見つめたながら、赤也はそんなことを考えていた。


先から部屋には、魚の香ばしい匂いと煮物の良い匂いが広がっている。

ふいに、見ていた後ろ姿がこちらへ振り返った。


「赤也、待たせてすまなかったな。」


手にはほど良く湯気の立った料理を持っている。
テーブルに並べられたそれは、料亭さながらの見栄え。

果たして、料亭で煮物が出るのかは定かではないが、それくらいに整った見栄えだ。


そして何より、柳の料理は見た目だけじゃない。



「・・・ん〜〜〜〜っ やっぱ柳さんの美味い!」


煮物を一つ口に運ぶ。

柔らかさもちょうどよくて、味付けも良い。
少し薄味だが、いくらでも食べれそうな感じだ。
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