小説
□春の木漏れ日、アナタの左手
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そろそろいいかと様子を見ては、踏み出す一歩にまだ遠い。
そんなことばかりだ。
焦れったい会話も
ふいに寂しくなる帰路だって、そう。
募る苦しさが
どうしても、温かい。
ずっと待ち焦がれたのはひどく単純なモノ。
自由 と 時間 そして・・・・
ー 春の木漏れ日、アナタの左手 ー
12日(火)天気は曇り。
まだ肌寒い時期にこの天気は辛い。
窓から見える空は
何とも陰鬱な影を纏っている。
今日は良いことが無い気がする。
昼飯は早めにキープしておこう。
「赤也ーっ次外だってよ!」
「うっわマジ!?」
「ありえねぇだろー・・?寒いって、絶対ぇ無理。」
乱雑に詰め込んだ体操着を掴む。
授業合間、教室は移動する生徒で騒がしい。